2004/6/15 |
中古の楽器屋さんにいくと叩き売りされている枯れたデジタルシンセがよくあります。
確かに古いシンセは今のシンセに比べ音質などもあまりよくはありません。しかし、ちょっと手を加えてあげるだけで、音質を改善し今でも立派に通用するシンセによみがえらせることができるのです。今回改造したTX81Zもそんなシンセのひとつです。
音をよくするには?どこを交換する?とにかく、4558を見つけたら、5532というタイプに交換します。 また、TL072(もしくは072)という8本足のICをみつけたら、LF412というタイプのICと交換します。 4558というオペアンプはオーディオ用に使われる汎用オペアンプです。しかし、音質はさほどよくありません。5532もオーディオ用によく使われるオペアンプですが、ドライブ能力が高く、低ノイズであり、音質は4558より格段上だと思います。しかも値段も安いので「どうしても」という時以外は5532を使うといいのではないでしょうか? さて、もう一つのオペアンプTL072ですが、こちらもシンセの中では定番のひとつです。072はFET入力タイプなので入力インピーダンスが高い為(4558はバイポーラ入力のためインピーダンスはさほど低くない)D/Aの後ろや、コンデンサの後ろに使います。 LF412も同じFETタイプですが、精度が072よりもよいです。 これだけで音質的にも性能的にも数段アップしたはずです。次にコンデンサです。 出力端子付近に大き目な電解コンデンサがあった場合、それは多分出力用のカップリングコンデンサなので交換します。交換するものは、付いている容量よりちょっと大き目なフィルムコンデンサがいいです。 カップリングコンデンサは「ハイパスフィルタ」になっている為、値の大きいものに換えるとその分カットオフ周波数が下がります。つまり、低音がよく出るようになるのです。 ほかにも、「音の通るコンデンサ」を交換するのですが、見分けが付かない場合は、電解コンデンサはすべて新しいものに換え、セラミックコンデンサは大体同じ容量のフィルムコンデンサに換えてしまいます。 TX81Zの場合
TX81Zの場合、大きな基盤と小さな基盤があって、小さな基盤は電源部、大きな基盤が本体になります。その、大きな基盤の前から見て左側の部分がアナログ部になります。(写真1) 予想通り、072、4558などが付いていました。(写真2) これを412、5532に交換します。また、4558のすぐ近くにある1μの電解コンデンサも交換します。(写真3)このコンデンサは音質にかなり影響するので、ちょっといいものを使いましょう。 2004/6 補足
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